(▼2018/7/6追記)
水没した写真の応急処置について。
写真を「乾かす」「泥を払う」「洗う」
以上が大切なことです。
処置法は実践する際にご参照ください。

(▼2015/9/23追記)
『水に濡れた写真の応急処置』チラシです。返却・洗浄活動に携わった各地の有志で作りました。掲示・配布・配信自由です。PDFはコンビニのコピー機で「文書プリント」が可能です。USBメモリに入れてお持ち込みください。そのまま印刷入稿することもできます。

モノクロ版 PDF ▶ https://goo.gl/8x7CtU
カラー版 PDF ▶  https://goo.gl/cktZzC
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(▼2015/9/14記)
災害地や洗浄現場でこれまで実践したことの一部です。写真を保護するにあたって必要なことがあれば参考にしてください。写真の状態に応じて処置していただければと思います。

アルバムの乾燥
フエルアルバム/ポケットアルバムなど

水没した写真アルバムは、早期に水から引き上げることが必要です。そして早期に乾燥させること。泥水には多くのバクテリアが含まれ、濡れたままにしておくと短期間で写真のゼラチン質が分解されてしまいます。できるだけアルバムが乾きやすい状態にしてください。
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Album_Kanso2
アルバムを立てて開くとページ内がよく乾きます。扇型にページを開き、中が空気に触れる状態にしておきます。洗濯ばさみがあればページを留めておけます。新聞紙など吸水性のあるものが近くにあれば利用してもよいです。泥をできるかぎり払っておくことも大切です。

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額入り写真
額入りの写真はなるべく早めに額から出して乾燥させてください。ガラスに張り付いて取れなくなる場合があります。早期の取り出しが大切です。もしも張り付いてしまった場合は無理に剥がさないほうがよい場合が多いです。写真像が剥がれてしまうことがあるためです。額に入れている写真は大切な写真が多いのではないかと思います。剥がす時は慎重に対処していただけましたらと思います。剥がす前にはデータを撮っておくことをお薦めします。
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台紙付き写真

泥が中まで入っていたら解体して中の泥を落としてください。ハケがあると便利です(ハブラシでも)。台紙のクリーニングは消しゴムも役立ちます。ガムテープで汚れた面を剥がす、他の厚紙に換えるなども有効です。全体にカビが蔓延していたら台紙は諦めるほうがよいでしょう。その際は写真だけ保護して別のアルバムへ移し替えます。替えの台紙は数百円〜千円くらいで売っています(amazon.co.jp 写真台紙)。写真のサイズはこちらご参照ください(用紙サイズ一覧.com)。
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アルバムの一時保護について
拾得したアルバムを一時保護する場合は、なるべく雨水に濡れない状態で保護してください。可能であれば屋根のある場所。屋外であれば覆いを被せいただけるとより確実に保護できると思います。雨水が溜まりやすいプラケースなどを避け、排水性のよい容器に入れていただけると二次的な水没も避けられます。また風に飛ばされないようにしておくことも大切です。泥を払い、立て掛けておくと水分が滞留せず写真の劣化も最小限に抑えられます。やむを得ず現場に残す場合は伝言を記すとよいです。
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持ち主の方が判る場合は直接お渡しするのが一番よいかもしれません。お渡しできない場合や持ち主不明の場合は、指定された集約場所へ持ち寄ります。後から持ち主の方に引き取られることになります。どこで拾ったのか、誰が写っているかを伝えることが後々返却に繋がる手掛かり情報になってきます。しかし泥出しや家財の片付けを行っている段階では、不用意に移動させると返却が遠のいてしまう場合もあります。まずは近くに居る方に心当たりはないか聞いてみる必要があると思います。
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ビニール袋に入れっぱなしにすると、カビやバクテリアが繁殖しやすくなります。なるべく湿気が籠もらないようにしてください。

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写真の洗浄
水洗い

水没した写真はできるだけ早期に水洗いすることが望まれます。
必要なものは、水、バケツ、吸水用のタオルなどです。バケツに水を張り、写真を水に浸して少しずつ汚れを落としてゆきます。大抵の写真はこれで綺麗になります。
表面が腐食している場合は絵柄が落ちてしまう場合があるので慎重に洗浄します。写真の端の方から少しずつ大切な絵柄を守りながらゆっくり洗ってゆきます。ぬるぬるした感覚が少しあると思いますが、ゼラチン質が溶け出しているためで、全てを落とそうとすると絵柄がどんどんなくなってゆきます。汚れた部分だけを落とす要領で、守る部分を見極めながら、写真をよく見て洗ってください。デリケートな部分は絵筆を使うとより微細に洗えます。
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泥汚れが落ちたら清水ですすぎをします。蛇口の水を直接当てると写真像が崩れてしまうことがあるので直接当てない方がよいです。別の容器に水を張り、水中を泳がせるような形ですすぐと良いと思います。すすぎは軽くすすぐ程度で十分です。その後は水をよく切り写真を乾かします。水切りはネコ避け・カラス避けのようなものがあるととても便利です。100円ショップで売ってます。
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乾かすときは、写真を重ねず1枚1枚に空気が当たるようにします。
新聞紙の上に並べておくだけでも乾きます。屋外であれば洗濯物干しに干しておくのがよいと思います。物干しに干す場合は写真に洗濯ばさみの跡が付く場合があるので、なるべく写真の端を挟むようにしておきます。


富士フイルムさんのYouTubeに詳細な映像があります。
要領はこちらの映像を参考にしてください。
©富士フイルム株式会社

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部分洗い/水拭き/乾拭き
浸食が深く進行した写真は、水洗いしないほうがよい場合が多いです。像が剥がれて真っ白になってしまうことがあります。心配な時は写真のフチを少し試してから行うとよいでしょう。部分洗いも有効です。水には全部浸けずに水面でちょっとずつ浸して洗う感じです。人物などの被写体はしっかり残し、フチの部分だけ洗い落としていくと、大切な写真を白くせず守ることができるでしょう。大抵の写真は端から水が浸透するので、端の方が劣化しています。バクテリアに侵されたところはできるだけ落としたほうがよいのですが、多少汚れが残っていても大きく問題があるわけではないです。どこまで落とすかは一概に決められません。背景も写真の一部ですので、その辺は写真像を見ながら判断をおこなってください。
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水洗いが困難な場合はウェットティッシュで水拭きをしたり、乾燥させて乾拭きしたりする方法もあります。慎重に写真の端の方からゆっくり汚れを落としていきます。綿棒を利用すると人物の周辺なども精細にクリーニングすることができます。損傷部分に指紋が付くのでゴム製の手袋にをして作業すると良いと思います。インク滲みの汚れはエタノールがあると簡単に落とすことができます。しかし落ち過ぎてしまうので注意してください。表面にはあまり使用しないほうがよいと思います。当方では主に裏面のインク滲みに使用していました。フエルアルバムの糊が取れにくい時にも使えます。
損傷が大きい写真は洗浄を諦めることも選択のひとつになってきます。その場合はカメラで撮影してデータを残しておきます。データがあれば後からプリントすることもできます。

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その他の注意すべき写真
インクジェット/ポラロイド/ラミネートパウチなどは水洗いに不向きです。インクジェットは水濡れで変色してしまい、ポラロイド類は破損箇所より水が入り、内側にカビが生えることもあります。水洗いする場合はさっと洗ってすぐ水気を切ってください。できれば拭いて落とすほうがよいです。
白黒写真はコーティングがないものが多くデリケート
です。カラー写真よりも注意が必要です。乾拭きで済ませた方が良い場合も多いです。写真の端を少し試してから洗浄してください。

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アルバムの解体
アルバムを解体し写真を取り出す

濡れた写真をアルバムに入れたままにしておくと、カビやバクテリアの増殖が進むことがあります。乾いたものでも一度水濡れしたアルバムはできれば解体し、写真を取り出すほうがよいと思います。
下記を参照していただましたらと思います。より慎重に写真を守るために一旦カバーフィルムごと外していくというのがポイントです。

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フエルアルバム(接着タイプ)の場合
カッターで写真周囲に切り込みを入れ、カバーフィルムごと写真を取り出します。いきなりカバーを剥がすと、写真の像まで一緒に剥がれてしまうことがあります。カバーごと一旦アルバムから外し、その後に1枚1枚を取り出す要領です。切り込みを入れる際は裏側の写真を切ってしまわないように気をつけます。

ポケットアルバムの場合

ポケットアルバムはカバーの蝶番を外すと簡単に解体することができます。この場合も同様に、写真を引き抜かず、カバーごと写真を外し、その後に写真を取り出します。

PhotoOukyu_03_hagashi+
裏面に接着糊が付いている場合は先に取り除いておきます。ナイロンたわしなどで擦ると糊を落とすことができます。カバーフィルムを剥がす際は、劣化の少ない側から剥がすとよいと思います。人が写っている場合は顔とは反対の方向など、影響の少ない方角から剥がしてゆきます。人物に劣化が掛かっている場合は慎重。場合により剥がすことを断念する必要も出てきます。

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データ化による保護
可能であれば洗浄前にカメラやスキャナーでデータを撮っておくとよいです。後で復元することもできます。手元に専用機材がない場合はスマホのカメラでも大丈夫です。最近のスマホは解像度も高く、切り出しができるスキャンアプリもあります。撮っておくことで写真像が失われるリスクを避けることができます。腐食が侵行した写真はとりわけデータ化のメリットが大きいです。データを撮る際はできるだけ泥を払ってからがよいです。
Smartphone_Data
スマートフォンのスキャンアプリは現在では様々な種類があります。無料で利用できるものも多いです。当方では記録用に下記を使用していました。
Googleフォトスキャン  iOS android

時間がない、すぐ洗浄できない、写真が大量にあるという場合は、何でもいいのでとりあえず撮っておくということでいいと思います。データ化しておけば後からトリミングしたり、プリントしたりもできます。多少の泥であれば画像処理で消すこともできます。腐食してしまうと元には戻せません。早めの撮影をお薦めします。
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卒業アルバム等  印刷物の保護
水濡れした卒業アルバムなど。印刷物は貼り付きやすいのでより注意が必要です。ページが貼り付く前に処置する必要があります。
塗工紙(コート紙/アート紙)に印刷されたものについて。下記東京都立図書館さんの動画に詳しく処置法が紹介されます。濡れた状態を保つこと。乾くとくっついてしまうことなど。写真の初期処置と真逆なことも多いです。貼り付かないように濡れたまま時間稼ぎすることなど。詳細に対処法が紹介されますのでご覧ください。

被災・水濡れ資料の救済マニュアル 
東京都・東京都立中央図書館さん YouTubeより ©東京都

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乾く前に対処する必要がありますが、ご家庭内で簡単にできることに絞ると、貼り付き防止の吸水紙による乾燥が良い対処法なのかもしれません。長いこと濡れているとカビが生えてしまいますので、この場合早期に対処する必要があります。すぐ対処できない場合は、上記動画のように冷凍や脱酸素の処置が必要になってきます。発災直後は電気や水道も止まり、家電も水没しているかも知れません。だからこそなお、早めの応急処置を心掛けていただけましたらと思います。紙を挟むだけで結果が違ってくるかもしれません。過去の経験では、多くの卒業アルバムがカビてしまい、なお貼り付いてしまいました。
ある程度乾いた後で圧力を加えるとゴワゴワになることも防げます。板に挟んで漬け物石など乗せておきます。動画の13分以降を参照してください。

一般書籍の場合(小説本など)は以下も参考にしてみてください。
水にぬれた資料を乾燥させる
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation/manual_drying.html
国立国会図書館さんより

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写真がくっついてしまった場合
重ねて保存していた写真がそのまま乾くと、写真同士がくっついてしまうことがあります。そのような写真でも大方剥がすことはできます。
浸食が軽い場合は、固まりを水に浸けて端から少しずつ剥がしていくとうまく剥がれてきます。数枚の固まりごと隙間に水を入れていくような要領です。ある程度剥がしたら、さらに1枚1枚を分離します。
浸食が重い場合は、水に浸けることは避けたほうがよいです。表の絵柄が落ちてしまうためです。水には浸けず剥がしやすい箇所を基点に注意深く剥がしていくと少しずつ剥がれてくると思います。状態によっては多少の損壊が伴ってきます。それでも剥がすべきかはよく考えながら行ってください。間に水滴を垂らすと多少は剥がれやすくなります。ティッシュに水を含ませポタポタ落とす感じです。使い捨てカイロで少し温めるとゼラチン質が軟化します。剥がれにくい場合は試してみてください。
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記した以外にも方策は沢山あります。ここでは主に初期段階の応急処置に限定してまとめました。被災された皆様の写真を救うにあたり、役立つ部分があれば参考にしてください。有用な部分があれば実践してみてください。
(課外のあらいぐま 一同)